全国商工会連合会会長の年頭挨拶

【年頭にあたって】

全国商工会連合会会長 森 義久

新年明けましておめでとうございます。令和七年の新春を迎えるにあたり、謹んでお慶び申し上げます。

昨年は、元日の能登半島地震や台風、豪雨等の度重なる自然災害の発生、円安の影響を受けた輸入物価の高騰、最低賃金の上昇など、歴史的な転換点と言える一年でありました。

国内大手企業を中心に業績回復基調となった一方で、地域の中小企業・小規模事業者からは、売上は上がっても仕入単価上昇に対する販売価格への転嫁が進まない、人手が足りないが雇える人が地域にいないという声も聞かれ、事業者の業種・業態によって好不況が分かれる厳しい状況が続きました。

こうした中、昨年十一月に開催した第六十四回商工会全国大会では、全国各地から約三、〇〇〇名の商工会関係の皆様にご参集いただき、多くのご来賓のもと、「中小企業・小規模事業者のための大型経済対策の早期編成と実施」や「日本経済の起爆剤となる地方創生の推進」など、六項目について満場一致で決議しました。

全国大会の決議項目を実現するべく新たな事業を立案するとともに、皆様の実情に応じたきめ細かな伴走支援体制を構築し、各種事業の推進に全力を注いでいく所存であります。

本年も、いわゆる年収の壁や下請法に関する議論の活発化、生産性向上に向けた省力化投資、更には海外展開拡大並びに起業・創業や事業承継を通じた地方創生など、地域を支える中小企業・小規模事業者を取り巻く経済情勢は目まぐるしく変化することが予期されます。

地域の中小企業・小規模事業者の活力が日本経済の成長につながることは多くの方が意見を一にするところです。

商工会は地域に根差した唯一の総合経済団体として、その役割を発揮するとともに「会員あっての商工会」であることを改めて認識したうえで、引き続き、中小企業・小規模事業者の声を国等に届け、地域経済の根幹をなす中小企業・小規模事業者の支援と地方創生の実現を推進してまいります。

私も全国商工会連合会会長としての責務を果たすべく邁進いたしますので、引き続き皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

終わりに、全国の商工会員の皆様並びに関係各位にとりまして、本年が、巳年が意味する、中小企業・小規模事業者及び地域の「再生と復活」の一年となりますよう心よりご祈念申し上げます。

令和七年 元旦

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